腎疾患
主な傷病名
慢性腎不全 慢性腎炎 ネフローゼ症候群 慢性糸球体腎炎
糖尿病性腎症
慢性腎不全の検査項目および異常値
ネフローゼ症候群の検査項目および異常値
一般状態区分表
腎疾患による障害の認定の対象はそのほとんどが、慢性腎不全に対する認定です。慢性腎不全とは、慢性腎疾患によって腎機能障害が持続的に徐々に進行し、生体が正常に維持できなくなった状態をいいます。
すべての腎疾患は、長期に経過すれば腎不全に至る可能性があります。
腎疾患で最も多いものは、糖尿病性腎症、慢性腎炎(ネフローゼ症候群を含む)、腎硬化症であるが、他にも、多発性嚢胞腎、急速進行性腎炎、腎盂腎炎、膠原病、アミロイドーシス等があります。
腎疾患の主要症状としては、悪心、嘔吐、食欲不振、頭痛等の自覚症状、浮腫、貧血、アシドーシス等の他覚所見があります。
人工透析を始めた日が初診日から起算して1年6ヵ月以内の場合、透析を始めた日より3ヵ月経過後が障害認定日とされます。
人工透析を開始したのが初診日から起算して1年6ヵ月を過ぎている場合は、初診日から起算して1年6ヵ月後を障害認定日とされますが、人工透析を開始したときより、事後重症請求ができます。
人工透析療法施行中のものは2級と認定されます。主要症状、人工透析療法施行中の検査成績、具体的な日常生活状況等によっては、さらに上位等級に認定となることがあります。
人工透析療法が施行されているか否かにかかわらず「2級」と認定され得る要件は、慢性腎不全およびネフローゼ症候群において、基本的に以下の1~4をすべて満たすこととされています。
1.内因性クレアチニン クリアランス値(ml/分) 10以上20未満
2.血清クレアチニン 濃度(mg/dl) 5以上8未満
3.(1)かつ(2)を満たす か (1)かつ(3)を満たす
(1) 一日総蛋白量(g/日) 3.5g以上が持続
(2) 血清アルブミン(g/dl) 3.0g以下
(3) 血清総蛋白(g/dl) 6.0g以下
4.(4)または(5)の状態にあること
(4) 身の周りのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50% 以上は 就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの
(5) 歩行や身の周りのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの
「2級」という場合、上記検査値のほか、「日中の半分前後を寝たまま過ごさなければならない」ということを重要な判断基準としているのです。
腎臓移植の取扱い
腎臓移植を受けたものに係る障害認定に当たっては、術後症状、治療経過、検査成績及び予後等を十分に考慮して総合的に認定します。
障害年金を支給されている者が腎臓移植を受けた場合は、臓器が生着し、安定的に機能するまでの間を考慮して術後1年間は従前の等級とします。その上で、再認定時に予後観察期間を経過している場合は、3級非該当とする程度の状態であるか否かを判断します。
注)腎疾患での障害年金請求においては、初診日から長期間経過していることが多く請求が困難なケースが多いです。
例)平成3年10月3日腹痛の為、近所のA医院受診入院、腹痛自体は完治したが、その際の検査で糖尿病である事が判明、その後糖尿病は自覚症状もあまりない為放置していたが、平成9年9月10日に疲れやすくなり体の異変を感じB医院受診、本格的に糖尿病の治療を始めるも、その後病状は悪化し腎臓に合併症を引き起こし平成27年5月より透析開始
人工透析の場合障害年金の基準は2級と明確ですが、初診日が平成3年10月3日で初診のA医院は廃院しており、初診日の証明が何も取れないという事等があるかと思います。
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